国際原子力機関(IAEA)の定例理事会(35カ国)は19日、イランが秘密に行った可能性がある過去の核関連活動の解明に向け、IAEAへの全面協力と査察受け入れを同国に求める決議を賛成多数で採択した。イランを非難する内容の決議は、ウラン濃縮拡大をめぐる2012年の決議以来。
IAEA加盟国は査察要請に応じる必要があるが、イランは「敵対国がでっち上げた悪意のある主張」に基づいていると反発。査察をめぐる対立が続けば、米国の一方的離脱と制裁再発動、イランの規定違反で危機が続く核合意の維持もさらに困難になる恐れがある。
決議案は当事国としてイラン核合意の維持を図ってきた英仏独が提出。核兵器開発につながる可能性もあり、03年に秘密に行われた疑いのある活動の有無を調べるためIAEAが求めたイラン国内2カ所への査察受け入れなどを求めている。(共同)