有権者の間隔確保、鉛筆を消毒・使い捨て…都知事選で投票所の感染防げ





新型コロナウイルス感染防止のため投票立会人の前にビニールシートが設置された期日前投票所=22日午前、東京都新宿区(萩原悠久人撮影)

 東京都知事選(7月5日投開票)は投開票所でも新型コロナウイルスの感染拡大防止策が求められている。各選挙管理委員会は3密回避、筆記用具の消毒などに取り組み、有権者数の7割相当の使い捨て鉛筆を用意するケースもある。開票作業に当たる人数も減らすため、半数以上の選管では開票作業の遅れも想定されている。(石原颯)

 22日午前、新宿区の期日前投票所がある区役所第1分庁舎に傘を持った有権者が続々と訪れた。入り口で消毒液を手に吹きかけ、入場。ビニール製のカーテン越しに投票用紙を受け取ると記載台に移動し、思い思いの一票を投じた。

 コロナ対応で大量の物品が必要となり、各選管は確保に追われている。新宿区選管の担当者は「早めに物資の準備に着手したが、アルコール消毒や手袋の確保が難しかった」と話す。

 都選管が投開票の実務を担う区市町村向けにまとめたガイドラインでは消毒液などの設置のほかに、有権者同士の間隔確保▽不特定多数の人が触れる筆記具や記載台の定期的な消毒▽扇風機などによる状況に応じた換気-といった感染防止策を求めている。

 各選管が気を配るのは筆記具の対応だ。港区選管は7日に実施した区長選で従来の2・5倍超となる約5300本の鉛筆を用意、有権者が使うたびに回収して消毒を行った。筆記具持参を広報などで推奨し、「1割ほどの人が自前の鉛筆などを使った」という。足立区選管では有権者数の7割に相当する40万本の使い捨て鉛筆を用意して臨む。

 開票作業も影響を余儀なくされる。体育館などで集票に当たる職員の密集を避けるため、開票所が狭いところでは作業人数を減らすといった対策をとる必要がある。都選管によると、62区市町村のうち37区市町村で開票終了時間が遅れる見込みとなっている。

 足立区では作業人数を前回選の半分以下の約200人に減らす。例年は約40台の卓球台を並べ、1台当たり約10人を配置するが、今回は5人程度に抑える。開票終了は平時の想定より5時間半遅い翌日午前6時となる見通し。

■期日前投票、1・4倍に

 都選管が22日に発表した期日前投票の中間状況によると、21日現在で8万1350人で、前回選の同時期の約1・4倍に増加した。



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