大井川の水問題をめぐりリニア中央新幹線の静岡工区が未着工となっている問題で、JR東海の金子慎社長と静岡県の川勝平太知事が26日午後1時半から、静岡県庁で会談する。1対1で約1時間話し合う予定で、その様子は静岡県の「ふじのくにネットテレビ」でライブ配信され、だれでも視聴できる。
川勝知事は金子社長から打診されたトップ会談に応じる条件として「全面公開」を挙げた。これに対して金子社長は落ち着いた状態で話し合いたいと希望したため、ライブ配信しながら1対1で面会することになった。新型コロナウイルス対策として3密を避けるべく、約2メートルの間隔を空けて着席する。
川勝知事と大井川流域10市町の首長は16日のウェブ会議で、同社が希望する今月中の準備工事再開は「国の有識者会議で検討中であり、その結果を待つべきだ」との見解でまとまった。こういった意見を踏まえて川勝知事は22日の定例会見で「有識者会議を待ってから工事をすべきだというのは(流域市町の首長らの)全員一致の意見なので、これはしっかり(金子氏に)伝える」と強調。「流域の60万人にとって大井川の水がいかに重要な命の水であるかも伝える」と初のトップ会談に臨む意気込みを語った。
JR東海は静岡工区の各ヤードで資材置き場や換気設備、濁水処理設備の設置といった準備工事を今月中に再開できなければ、予定する東京・品川-名古屋間の令和9年の開業は困難だとしている。