米中貿易協定「終わった」 大統領補佐官、コロナ拡大で不信感





米ホワイトハウスで記者団に話すナバロ米大統領補佐官=18日(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=塩原永久】ナバロ米大統領補佐官は22日、米FOXニュースで、米中が1月に署名した「第1段階」の貿易協定が「終わった」と述べた。署名時にはすでに多数の新型コロナウイルス感染者が中国から米国に入っていたと指摘。情報共有を怠っていた中国と合意した協定の妥当性に疑念を示した。

 ナバロ氏は米政権内の対中強硬派の一人。トランプ米大統領は、感染拡大を防がなかったとして中国に不満を募らせており、18日にはツイッターで「中国との完全なデカップリング(経済関係の断絶)も確かに選択肢として維持している」と投稿していた。

 中国代表団は1月15日に訪米し、第1段階協定に署名した。ナバロ氏は、その直後に「われわれがパンデミック(世界的流行)を知ることになった」と述べ、対応が後手に回った中国側に不信の目を向けた。ナバロ氏の発言は、第1段階の一方的な破棄も辞さない政権内の強硬論を示唆した可能性がある。

 一方、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が17日の議会証言で、デカップリングに否定的な考えを強調。中国側が第1段階協定を実行するとの見方を示している。



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