政府、ミサイル防衛政策の議論開始 敵基地攻撃能力も検討





米ハワイ州カウアイ島にある地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の米軍実験施設=2019年1月(共同)
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 政府は24日、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を首相官邸で開き、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に代わる新たなミサイル防衛政策の方向性について議論を始めた。北朝鮮や中国のミサイル技術の高度化に伴い、必要性が指摘されてきた敵基地攻撃能力の保有を検討する。今秋にかけて集中的に協議し、年末をめどに初めて改定する外交・安全保障政策の包括的指針「国家安全保障戦略(NSS)」に反映させる方針だ。

 安倍晋三首相は23日の自民党役員会で「わが国の防衛に空白を生むことがあってはいけない。安保戦略を徹底的に議論したい」と述べ、ミサイル防衛政策を含めた新たな安保戦略を打ち出す考えを示していた。

 24日のNSCでは、すでに秋田、山口両県への配備計画の停止が決定したイージス・アショアは、代替策が決まった時点で正式に撤回する方向性を確認したとみられる。自民党も敵基地攻撃能力を含め、ミサイル防衛に関する検討チームを立ち上げるが、党内議論も踏まえながらNSCで最終的な結論を導き出す。

 政府は、今回のミサイル防衛政策の見直しに合わせ、平成25年12月に安倍政権が初めて策定したNSSを改める。先端技術の管理などの経済安保、新型コロナウイルスなどの感染症対策も含めた「ポストコロナ」の国際ルールの枠組みの3つを改定の柱と位置付けており、9月末の概算要求までに集中的に協議を進める。さらに、今秋から有識者による懇談会を開催し、複数回の議論を踏まえ、年末には新たなNSSを策定する。

 現行のNSSは、経済安保の重要性の高まりや新型コロナの感染拡大などで改定の必要性が浮上していたが、今回のイージス・アショアの配備停止を契機に首相が決断した。



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