ビラ散布の脱北者団体事務所を家宅捜索 韓国警察


 【ソウル=桜井紀雄】韓国警察は26日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を批判するビラを散布した「自由北朝鮮運動連合」など2つの脱北者団体のソウルにある事務所を、南北交流協力法違反などの容疑で家宅捜索した。北朝鮮がビラ散布の報復として、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所の爆破など強硬措置に出たのに対し、韓国政府は、散布を徹底的に取り締まる方針を繰り返し強調してきた。

 同連合の朴相学(パク・サンハク)代表は、北朝鮮で金体制による「圧政が続き、政治犯収容所が存在する限り、ビラを送り続ける」と主張し、今回の強制捜査に強く反発した。

 朴氏は、北朝鮮が連絡事務所を爆破した後の22日夜にもビラを散布したことを公表したが、韓国当局は、北朝鮮には届かなかったとみている。警察は、朴氏が23日に自宅を訪ねてきたテレビ局の取材陣に暴行した問題でも捜査している。

 ビラ散布に対する法的措置をめぐり、憲法が保障する表現の自由を侵害するとして、韓国政府の北朝鮮への迎合姿勢を批判する声が少なくない一方、北朝鮮の軍事的挑発も予想される中で散布を強行したことには、脱北者からも批判的な見方が出ている。



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