首都ワシントンを州に 米下院で法案可決 民主議員増ねらう 





記者会見するコロンビア特別区(D.C.)のムリエル・バウザー特別区長=25日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米下院本会議は26日、首都ワシントン(コロンビア特別区)を51番目の州に昇格させる法案を賛成232、反対180で可決した。州への昇格は民主党支持の住民らが長年主張してきたが、議会で法案が可決されるのは初めて。実現すれば、1959年8月にハワイ準州が50番目の州に昇格して以来となる。

 採決では1人を除きすべての民主党議員が賛成し、共和党議員はほぼ全員が反対した。州昇格が民主党に圧倒的有利となるためだ。

 法案によれば、ワシントンが州に昇格した場合、他州と同様の取り決めに基づき上院2議席と下院1議席が割り当てられる。

 ワシントンは1961年の合衆国憲法修正23条に基づき3人の大統領選挙人を割り当てられて以降、64~2016年に実施されたすべての大統領選で民主党候補が勝利してきた。16年の調査では登録有権者の76%が民主党支持(共和党支持は6%)という、全米有数の「民主党王国」だ。

 州昇格が実現すれば民主党は今後の選挙でほぼ自動的に上院で2議席、下院で1議席を上積みできる。

 このため、上院で多数を占める共和党は法案に反対しているほか、トランプ大統領も法案への署名を拒否すると表明しており、成立は極めて困難だ。

 しかし今回、州昇格への先鞭がつけられたことで、将来的に民主党が大統領職と上下両院を制した場合、州昇格が現実味を増す公算が大きくなってきた。



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