関西電力は29日、25日に開いた定時株主総会での取締役選任議案で、森本孝社長への賛成率が議決権ベースで59・6%だったと明らかにした。反対は39・7%だった。取締役選任の賛成率としては、記録の作成を始めた平成22年以降、最も低かった。今年は金品受領問題の発覚以降で初めての総会で、株主から経営陣への批判が広がったとみられる。
賛否の割合は、関東財務局に提出した臨時報告書で開示した。森本氏以外の社内取締役への賛成率は、弥園豊一副社長が66・0%▽稲田浩二副社長66・1%▽杉本康取締役67・7%▽山地進取締役84・0%-だった。
山地氏を除く4人はいずれも昨年9月の金品問題発覚時点で取締役や監査役を務めており、経営陣としての責任が追及された形だ。新たに会長に就任した前経団連会長の榊原定征氏は85・3%だった。
同社の取締役選任議案の賛成率は近年、80%台を超えることがほとんどだった。同社は「株主に審議、判断いただいた結果で重く受け止めている。再発防止を図り、信頼回復に取り組んでいきたい」とコメントした。
また、関電は招集通知で森本社長ら取締役6人の報酬を初めて個別に開示した。筆頭株主の大阪市などは定款を変えて個別開示をルール化するよう求める議案を提出したが、賛成率は43・2%で否決された。