自民党の石破茂元幹事長は1日のテレビ朝日番組で、共演したタレントで元衆院議員の杉村太蔵氏から政治姿勢をめぐり苦言を呈される場面があった。「ポスト安倍」候補として党内の支持拡大が課題である石破氏にとって、今後につながる助言になったともみられる。
石破氏は、平成28年の内閣改造で安倍晋三首相の入閣要請を断った理由を問われると「杉村さんは閣僚をやったことがない」と牽制(けんせい)した上で「閣内では意見がどうしても合わない場合は閣僚をやめないといけない。私が受けなかったのは憲法に対する考えが(安倍首相と)違うからだ」と説明した。
杉村氏はムッとした様子で「『君は閣僚をやったことがないから分からない』といわれたら、スタジオを出たら二度と石破氏に票を入れない。嘘でも『いいことを言ってくれた』といえば、石破氏を応援しようとするのに」と言い返した。
また、杉村氏は石破氏の安倍首相批判を取り上げ「石破氏が自民党総裁になったときに(党内は)『あれだけ批判して、いざ総裁になったら協力しろといわれてもいやだ』とならないか」と指摘すると、石破氏は「そんなことをやっても国のためになるか、国民のためになるか」と反論した。
石破氏は番組では不快そうな表情も浮かべたが、杉村氏の“アドバイス”をかみしめた様子で会場を後にした。
杉村氏は17年衆院選で初当選し、「料亭に早く行ってみたい」など奔放な発言が話題を呼んだ。現在はタレントとして活動している。