【主張】アフリカ豚熱対策 二重三重の防疫強化図れ

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 肉製品の持ち込みを検査する権限や、罰則の強化を柱とした改正家畜伝染病予防法(家伝法)が1日、施行された。

 国内で収束がみられない豚熱やアジアで蔓延(まんえん)しているアフリカ豚熱の侵入防止が目的だ。

 アフリカ豚熱は、ウイルスが豚や野生イノシシに感染する伝染病だ。発熱や全身の出血が特徴で致死率も高く、有効なワクチンも治療法もない。国内への侵入を許して感染拡大すれば養豚農家の経営を直撃し、豚肉の安定供給にも影響が出かねない。

 折しも中国で豚から新型インフルエンザを検出し、人への感染も確認されたとする論文が米科学誌に掲載された。新たな脅威が迫っていることへの危機感を持たねばならない。

 具体策として、空港など水際での検疫徹底のほか、農場での衛生管理の強化など、病原体が養豚場に侵入しないよう二重三重の防疫態勢を敷くことが重要だ。

 以前から肉製品の持ち込みは禁止されている。今回の改正で、検疫官が肉製品を発見すれば即、廃棄できるようになった。それまでは手荷物に関する肉製品の持ち込みについて質問はできても、検査や廃棄はできなかった。増頭された検疫探知犬を有効に活用し、徹底した摘発を進めてほしい。

 罰則の強化では、肉製品などの違法な持ち込みは300万円(法人5000万円)の罰金または3年以下の懲役が科せられる。改正前に比べ、個人も法人も罰金額が大幅に引き上げられた。

 罰金引き上げが違法行為の抑止力となるよう、持ち込みの多いアジアを中心とした諸外国に対し改正法の周知徹底も求められる。

 豚熱は平成30年9月に26年ぶりに岐阜県で発生し、昨年10月にワクチン接種が始まったが、収束には至っていない。アフリカ豚熱は今年2月、空港で見つかったのを最後にウイルス遺伝子は見つかっていないが、油断は禁物だ。

 国や都道府県、養豚農家などの責務も明確にされた。農家には管理マニュアルの作成を求め、国には飼養衛生管理の指導に関する指針の策定、地方は衛生管理基準の違反者を公表せねばならない。

 新型コロナウイルス対策の出入国制限緩和が拡大されれば、病原体の侵入リスクは再び高まる。

 官民挙げた防疫の手を緩めてはならない。

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