茶色く濁った川の水が、うねりながら住宅をのみ込んだ-。猛烈な雨に見舞われた熊本、鹿児島両県の市町村は4日、避難指示を出した。「パニック状態」。初の大雨特別警報発令という事態に、自治体の職員は対応に追われた。
「電話が鳴りっぱなしで、まとまりがつかない」。熊本県球磨村建設課の上蔀宏さんが役場の様子を明かす。同村を流れる球磨川が氾濫。上蔀さんは「2階まで浸水している住宅があり、避難できていない人もいるかもしれない。パニック状態だ」と落ち着かない様子で話した。
村によると、氾濫で道路が寸断。役場から被災現場に調査に行くこともできない状況という。
鹿児島県庁6階の災害対策課。早朝から大勢の職員が対応に追われた。「内閣府から問い合わせが来る」などの声が飛び交い、慌ただしい様子だった。