フランス、旧植民地アルジェリアに抵抗の闘士の遺骨返還


 【パリ=三井美奈】北アフリカのアルジェリアで5日、19世紀に宗主国フランスに対する抵抗運動に加わり、処刑された24人の遺骨が国軍墓地に埋葬された。仏政府が要請を受けて返還したもので、アルジェリアのテブン大統領は「謝罪の半分は受け取った」と述べた。

 遺骨はパリの「人類博物館」に保存されていたが、3日にアルジェリアに移送された。5日はアルジェリアの独立記念日にあたり、政府は遺骨を国旗に包んで「闘士」の帰還を称え、記念式典を行った。

 テブン氏の発言は、仏ニュース専門局「フランス24」でのもの。マクロン仏大統領の決定を「両国の関係改善につながる」と評価する一方、「過去に向き合う必要がある」として、さらなる対応を求めた。

 遺骨の返還は、2016年、アルジェリア知識人が仏紙ルモンドへの共同寄稿で訴えた。1840年代、仏軍が抵抗運動を鎮圧し、数百人を虐殺したと主張。遺骨の一部は博物館にあると指摘していた。

 マクロン氏は大統領就任前の17年、植民支配を「人道に対する罪」だと発言。就任後、「(旧植民地との)対話だけでなく、未来への対応」が必要だと訴えていた。



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