赤羽一嘉国土交通相は7日の記者会見で、静岡県とのトンネル工事をめぐる対立からJR東海が令和9年の開業は困難としているリニア中央新幹線について「国交省に対しては開業が遅れる旨の報告を受けていない」と述べ、引き続き、国交省の有識者会議で静岡県とJR東海の協議を支援する考えを示した。
赤羽氏は「沿線自治体をはじめとして早期開業の期待は大きく、JR東海と静岡県でしっかりと協議するのが重要」と指摘。その上で「リニアの早期実現とトンネル工事に伴う湧き水や自然環境への影響回避を同時に進めるのが必要なのは、静岡県、JR東海と国交省の共通認識だ」と強調した。
JR東海は3日に静岡県から「準備工事はトンネル工事と一体で着工は認められない」などとする文書での回答を受けた後、9年開業は困難との見通しを示した。一方で静岡県に対して準備工事をトンネル工事と一体とするのは「従来の説明と違う」などとして説明を求める文書を送付するなど混乱は続いている。
赤羽氏は「やり取りを見守らないといけないと思っている」と国交省として調整を進める考えを示した。