トランプ氏、ハマスに「最終提案」同意促す ガザ停戦巡り 来週ネタニヤフ氏と会談へ

[エルサレム/ワシントン 1日 ロイター] – トランプ前米大統領は1日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとの60日間の停戦に向け、仲介国カタールとエジプトが提示する「最終提案」にイスラム組織ハマスが同意するよう促した。これは中東和平実現への重要な一歩となる可能性を秘めている。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアへの投稿で、ガザ情勢について米国の代表者らがイスラエル当局者らと「長時間にわたり生産的な」会談を行ったことを明らかにした。具体的な代表者の名前は明かさなかったが、ウィットコフ中東担当特使、ルビオ国務長官、バンス副大統領がイスラエルのロン・ダーマー戦略問題担当相と協議する予定であったことが報じられている。

トランプ氏の停戦合意への強い期待

トランプ氏は、イスラエルがガザでの60日間の停戦を「確定させるために必要な条件」に同意したと主張。停戦期間中に戦争を終わらせるために、全ての当事者と協力する方針を示した。同氏は、「和平実現に尽力してきたカタールとエジプトがこの最終提案を届けるだろう。中東のために、ハマスがこの取引に応じることを望む。なぜなら、これ以上良い条件にはならず、状況は悪化するだけだからだ」と強く述べ、ハマスに提案受け入れを迫った。

ネタニヤフ首相との会談と迅速な停戦の必要性

これに先立ち、トランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで7日に会談し、ガザ地区およびイラン情勢について協議する予定だと明らかにしていた。トランプ氏は、この会談でガザ停戦が来週中に実現することを強く望んでいると述べ、記者団に対し、ガザでの迅速な停戦の必要性についてネタニヤフ氏に「非常に断固とした態度」を取るつもりだと語った。その上で、同氏はネタニヤフ首相自身もガザでの迅速な停戦を望んでいるとの認識を示した。「われわれは合意の成立を期待している。来週中に実現するのを楽しみにしている」と述べ、人質解放と引き換えにした停戦合意への期待を改めて強調した。イスラエルのロン・ダーマー氏は今週ワシントンを訪問し、両首脳の会談に先立ち協議を行っている。

トランプ前米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相。(パレスチナ自治区ガザ情勢、停戦協議、今後の会談に関連)トランプ前米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相。(パレスチナ自治区ガザ情勢、停戦協議、今後の会談に関連)

ネタニヤフ首相の訪米とその他の議題

ネタニヤフ首相は1日、来週訪米しトランプ前大統領と会談する見通しだと述べた。ルビオ長官、ヘグセス国防長官、ウィットコフ特使、ラトニック商務長官といった米政府高官との会談も予定していることを明らかにした。首相はまた、「貿易協定の締結に向け、他の事項に加えて、最終調整が必要なことがいくつかある」と述べ、経済関係についても協議が進められる可能性を示唆した。議会指導部との会合や、安全保障関連の会議も行う予定だとした。米国はイスラエルの相互関税率を上乗せ分を含めて17%としている。

まとめ

トランプ前米大統領がガザでの60日間停戦に向けた「最終提案」についてハマスに同意を強く促したことは、現在の停戦交渉における重要な局面を示している。来週にはホワイトハウスでネタニヤフ首相との会談が予定されており、この場でガザ情勢やイラン情勢について詳細な協議が行われる見込みだ。トランプ氏が迅速な停戦の必要性を強く訴える中、今後の米イスラエル会談の行方と、それがガザでの停戦実現にどのような影響を与えるかが注視される。ネタニヤフ首相の訪米は、ガザ問題だけでなく、貿易協定を含む多岐にわたる両国間の議題を進展させる機会となる。

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