【北京=三塚聖平】中国国家統計局が9日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2・5%上昇した。上昇率は5月(2・4%)からわずかに拡大した。中国南部などで続いた大雨による被害や、北京を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、食品価格が値上がりしたことが響いている。
統計局によると、大雨などの影響で食品価格の上昇率は11・1%だった。特に野菜は5月に8・5%の下落だったのが、6月には4・2%の上昇に転じた。アフリカ豚熱(ASF)による影響が続いている豚肉価格は、6月も81・6%上昇と高止まりしている。
今年上期(1~6月)のCPI上昇率は前年同期比3・8%だった。中国は5月の全国人民代表大会(全人代)で、CPIの年間上昇率目標を3・5%前後に設定している。
一方、統計局が同時に発表した6月の工業品卸売物価指数(PPI)は前年同月比3・0%下落した。5カ月連続のマイナスだったが、下落幅は5月(3・7%)から縮小した。統計局によると、国際的な原油価格の上昇が進んだことが影響している。