「香港国安法への抗議活動」 民主派予備選運営の元立法会議員





13日、産経新聞の取材に応じた香港の区諾軒・元立法会議員(藤本欣也撮影)

 【香港=藤本欣也】9月6日の香港立法会(議会)選に向けた民主派の予備選の運営に当たった区諾軒(おう・だくけん)元立法会議員(33)が13日、産経新聞の取材に応じ、「予備選は香港国家安全維持法(国安法)に対する香港人たちの抗議活動だった」と、その意義を強調した。一方で今後、当局による候補者の資格剥奪が相次ぐとして、「香港は(有権者が)選びたい人を選べない時代が来る」と危機感を示した。

 「あの夜、逮捕されると思った」と振り返るのは、投票前日の10日、予備選をサポートする世論調査会社が警察の家宅捜索を受けた夜のこと。「何が起きてもおかしくないとスタッフ全員が緊張した」という。

 結局、当局の威嚇にもかかわらず、区氏らの目標の3倍を超える61万人が投票に参加した。「私たちも本当に驚いた。香港人一人一人が歴史をつくった」と市民の勇気をたたえる。

 今後の焦点は立候補の届け出が始まる18日以降。「政府は民主派候補のこれまでの発言を審査し、立候補資格を認めないケースが出てくるだろう。そのための準備もしている。立法会選で民主派が過半数を獲得するための戦いはこれからが正念場だ」と語った。



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