タレントのカンニング竹山氏が、2025年10月31日に配信されたABEMAの報道番組『ABEMA Prime』での「国旗損壊罪」を巡る発言で大炎上している。騒動から約1ヶ月が経過するが、その余波は依然として収まる気配を見せていない。この論争は、日本の政治社会における表現の自由と国家象徴への尊重という、複雑なテーマを浮き彫りにしている。
「国旗損壊罪」とは何か:議論の背景
発端となったのは、参政党が2025年10月27日に「日本を侮辱する目的で日本国旗を傷つける行為」を処罰する「日本国国章損壊罪」を盛り込んだ刑法改正案を、単独で初めて参議院に提出したことだ。現行の法律では、外国の国旗を傷つけた場合の処罰規定は存在するものの、日本の国旗は対象外とされている。この状況が、新たな法制化の議論を呼んだ。
カンニング竹山氏、ABEMA Primeでの「国旗損壊罪」発言巡り
カンニング竹山の発言とその真意
番組冒頭でこの法案について意見を求められたカンニング竹山氏は、「気持ちはわかる、気持ちはね。ただ、この国を、日の丸を嫌いな人もいて、好きな人もいて、いろんな考えの人がいて国家だと思うのよ。全部、こうじゃなきゃダメだ!って言っちゃうと、独裁国だから」と発言した。彼は「僕は国旗、大切にしなきゃいけないだろうとは思ってるよ。思ってるけど、嫌いだっていう人もいるよ、なかには」と述べ、国旗の扱いはモラルの問題であり、法律で規定すべきではないとの持論を展開した。
梅村みずほ議員の反論と竹山再反論
竹山氏の発言に対し、参政党の梅村みずほ参院議員は、2025年夏の参院選において、街頭演説中に大きくバツ印をつけた日の丸を振る妨害行為が多数発生し、それを見て涙を流す国民がいたと紹介。「これはもう法律で制定しなくてはいけない時代になってしまった」と、法制化の必要性を訴えた。
これに対し竹山氏は、「日の丸にバツをつけてる人、実際いるわけで、この映像だといますよね。この人、日の丸嫌いなわけですよね。この国のあり方とか嫌いなわけですよね。で、こういう人も何人かいるわけですよね。世のなかに。ということは、参政党さんがこれを法律でダメって決めることが、この人たちにとっては侮辱されてると思うんじゃないですか?この人たちの気持ちはどうするんですか?もう一方的に、あんたたち間違ってるよって押しつけるんですか?」と再反論。個人的には日の丸を大切に思っているとしながらも、嫌いな人々の気持ちも考慮すべきではないかと主張したのである。
「日の丸嫌い」のレッテルと止まない批判
竹山氏の意図は、多様な価値観が存在する中で、一方的な押し付けを避けるべきだという点にあったとされる。しかし、彼の主張を額面通りに受け止める人々は少なく、「日の丸嫌い」のレッテルを貼られ、結果として大炎上へと発展してしまった。インターネット上では、竹山氏に対する批判コメントが殺到し、事態は収拾がつかない状況となった。
ライブ告知にも及ぶ炎上の余波
この炎上騒動は、竹山氏の活動にも影響を及ぼしている。2026年4月に開催予定の単独ライブ『放送禁止2026』の告知をX(旧Twitter)で行った際、ユーザーからは「共産党員しか来ないようなイベントには怖過ぎて行こうとも思いません」といったリポストが寄せられた。これに対し竹山氏は「へ?、放送禁止ってそんなライブなんや。18年やってて知らんかった 何党でもとんな政治思想の方でも是非お待ちしております!」と皮肉を交えながら返答した。
さらに別のユーザーから「日本国旗も燃やすのはOKですか?」と問われると、「ダメに決まっとるやないか!正しい情報をちゃんと探してSNSのご利用をしてください」と強く反論。しかし、この発言に対しても「ブレてますね。それを擁護したのはアナタでしょうが。」などと批判が殺到し、普段の投稿の何倍ものコメントがつく事態となっている。一部の人々からは「敵認定」された形となり、どのように説明しても理解されない状況に陥っていると見られている。
コメンテーターとして、様々な話題に触れることは当然の役割ではあるものの、政治的な発言がここまで大きな炎上を招くことは、タレントが政治について発言することの難しさ、そしてそのリスクを改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/d76ef070016c7d140a78709c53a1ffc731e42467





