「クラシック(古典)」と言われるものは、音楽でも文学でもいつの時代も新しさを感じることができる。ベートーベンの残した作品はもちろんだ。音楽情報誌「モーストリー・クラシック」9月号は「ベートーヴェンの新しさ」を特集している。
音楽学の西原稔氏は「作品が時代と国を超えて数多くの人々に繰り返し演奏され、作品の意味がさまざまに解釈されることによって、作品は新たに再生する」と傑作の条件を述べる。ベートーベンは、交響曲第3番「英雄」や「第九」、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」やピアノ・ソナタ第23番「熱情」など数多くの傑作を残した。
1808年に作曲された交響曲第5番「運命」は、第1楽章冒頭の「ダダダダーン」という4音動機で知られている。この緊張感あるドラマチックな手法は当時の聴衆にとっては斬新極まりないものだったし、現在でも新しさを感じるはずだ。特集では他に、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」との比較など多面的に魅力を探っている。