まさに寝耳に水の情報だった。長年、テレビ業界で高い好感度を誇り、2014年から2019年には年間テレビ出演本数で史上初の6年連続1位を達成したタレント、国分太一氏(50)が、ハラスメント事案を理由に活動休止することを公表。さらに、2024年6月25日には、所属するグループTOKIOが解散を発表した。この突然の展開の背景には、業界関係者の間で囁かれていた国分氏の知られざる「裏の顔」があったとされる。
ハラスメント問題で日テレ『鉄腕DASH』降板、TOKIO解散を発表した国分太一氏のポートレート
騒動の発端と情報拡散
今回の騒動に関する情報が最初に駆け巡ったのは、6月19日の午後のことだった。複数の関係者によると、その異変にいち早く気づいたのは、国分氏がレギュラー出演しているテレビ東京系の人気番組『男子ごはん』の関係者だったという。
同日開催された『男子ごはん』主催のゴルフコンペに、主役であるはずの国分氏が突然参加を取りやめたのだ。このドタキャンをきっかけに、国分氏に関する様々な情報が急速に広まり始めた。やがて、日本テレビ系の看板番組である『ザ!鉄腕!DASH!!』を彼が降板するという具体的な情報が聞こえてくるようになった。かつて中居正広氏の件でも同様の動きがあったことから、芸能関係者だけでなく、社会部の記者までもが情報確認に追われる事態となった。
日テレ緊急会見、明かされなかった詳細
騒動に対する公式な答えは、翌日の6月20日に出された。日本テレビの福田博之社長(63)が午後1時から緊急記者会見を開き、国分氏の『鉄腕DASH』降板を正式に発表したのである。福田社長は会見で、国分氏が「複数の事案」に関わったことにより、降板という決断に至ったと説明した。
しかし、不祥事の具体的な内容については、会見ではほとんど明かされなかった。「コンプライアンス上の問題があった」と述べるにとどまり、どのような質問に対しても「関係者のプライバシー保護の観点から説明できない」との返答を繰り返したという。この対応は、情報の開示を求める報道陣との間で緊迫したやり取りを生んだ。
関係者が明かすハラスメント内容と局の判断基準
日テレの関係者によると、局内ではこの件に関して厳重な緘口令が敷かれていたという。その関係者が漏らしたところによれば、国分氏が番組スタッフに対して性的な画像を送りつけたり、あるいは高圧的な言動を繰り返したりしていたことは間違いないとされている。
福田社長が会見で「刑法に触れるのか」という質問に対してこれを明確に否定したことからもわかるように、今回の局の判断は、個々の事案が刑法に触れるかどうかの性質そのものよりも、組織としてのガバナンス強化を重視した結果であったようだ。事案を把握したのは5月27日で、経営幹部がすぐに情報を共有し、外部の弁護士に調査を依頼したという迅速な対応が取られた。これは、日テレホールディングスが6月27日に株主総会を控えていたことや、過去にフジテレビで類似の問題が泥沼化したことを踏まえ、同じ轍を踏まないようにとの強い意向があったためと考えられる。会見には社長室や企業広報の担当者が同席し、社長の発言を付きっきりで見守るなど、局としても異例の体制で臨んだことが報じられている。『鉄腕DASH』は同年11月には放送30周年を迎える局の看板番組であり、これを守ろうという強い思いも判断の背景にはあったと推測される。
『鉄腕DASH』放送後の視聴率変動
会見後の6月22日に放送された『鉄腕DASH』は、国分氏の登場シーンがカットされていたにも関わらず、前週の世帯視聴率8.2%から9.7%に上昇した。不祥事がかえって番組に話題を集め、結果的に良い数字に繋がったというのは、何とも皮肉な結果と言えるかもしれない。