[単独]韓国のF-35A、故障時にはロッキード・マーティン整備チームが訪韓し修理受ける可能性も(イシューバレー・朝鮮語)
韓国の最新型F-35Aステルス戦闘機が昨年から導入され始めた中で、F-35Aの整備の問題が焦眉の関心事に浮び上がっている。問題の核心は果たして分解・解体レベルの深刻な故障発生時に、日本三菱重工業に飛んで整備を受けるかということだ。空軍は「場合によってはロッキード・マーティン整備チームが来韓して修理を受けられる」と述べた。
イシューバレーは3日、空軍司令部の関係者との通話で「韓国にもロッキードマーチンの整備チームが常駐しており、アメリカで教育を受けた我々の整備士もいる」とし「ある程度修理整備は、独自で解決することができる」と述べた。
空軍関係者は「分解組立・解体、塗装塗り・塗料(ステルス機能強化塗料)が必要な場合は、ロッキード・マーチンが指定された整備拠点に行かなければならない」と付け加えた。
つまり、基本的な維持管理・修理は大韓民国空軍で対応することができますが、戦闘機が6~7年に1度受ける総合的な性能検査のためにはMRO&U(整備及び機器のアップグレード)権限を持つ整備拠点に行かなければならないというものである。現在ロッキード・マーチンが、これらのMRO&Uを指定したのは、日本、オーストラリア、アメリカなどである。 (中略)
空軍広報チーム長は本紙との通話で「F-35Aは最新型の航空機であり、導入されたばかりでもあり重整備が必要になるまでまだ6~7年程度残っている。まだ時間があるので、具体的にどこで整備を受けるれる内部的に決まっていない」と述べた。
彼は「ただ、現在の韓国国民の情緒では日韓の感情の溝が深い。私たちの主力ステルス戦闘機が日本に行って分解・解体整備されていることに、韓国国民が受け入れられない感情がある」と吐露した。
空軍関係者は「とはいえオーストラリアやアメリカの整備拠点に行くにはコストの問題が大きい。そのために内部でも葛藤がある。場合によっては費用がかかってもオーストラリアに行くか、米ロッキード・マーティン整備チームが韓国に来て整備することもできるといった選択肢がある」と付け加えた。
韓国のF-35Aが日本ではなくオーストラリアのMRO&Uを利用する場合には、韓国のF-35Aは重整備を受けるたびに片道約8,500km、往復約1万7,000kmを移動しなければならない。一度の飛行で、オーストラリアのウィリアムズタウンにあるMRO&Uに直行しなければならない。
海外軍事専門家は、この方法が危険で韓国の清州空軍基地→米国のグアムの空軍基地→オーストラリアタウンズビル空軍基地→ウィリアムズタウンコースで飛行するのが現実的だと助言する。この場合、少なくとも3日(往復6日)は、かかる見通しだ。
韓国の清州空軍基地から米国テキサスMRO&Uフォートワースに行く場合は片道で1万kmを超える。時間と費用の負担は韓国空軍が負担しなければならない。
空軍関係者は「その時になっていて日本との関係が良好ならば我々のF-35Aが日本にも行くこともある」と慎重に語った。空軍の日本整備オプションが最初から除外されてはいないとの話だ。清州空軍基地から日本のMRO&U整備倉までの距離は800kmだ。
国民情緒と時間・コストの問題をめぐり、韓国空軍の悩みが深まるしかない理由だ。
一方、米国国防総省やロッキード・マーティン社は韓国のF-35だけのための独立した整備拠点作成したり、許可する方針は現在ではまったく考慮していないことが分かった。
(引用ここまで)
何度か話題に出ている韓国のF-35はどこで整備を受けるのか問題。
NHKの「韓国空軍所属機も愛知の拠点を使用するだろう」という報道に対して韓国空軍は否定しています。ただ、オーストラリアの整備拠点は遠いのでどうすればいいのかを熟慮している、というような報道もありました。
今回の報道では韓国空軍は「重整備が必要になるまで6~7年、まだ時間的余裕があるのでどこで整備を受けるかは決めていない」というコメントを正式な回答としているようです。
いやぁ、でも明日にでもマンホールに落ちて主翼を破損したり、間違って脱出装置を押して少将がベイルアウトされないともかぎらないわけで。
そういった重大事故が起きた時にどうするのか、いまから決めておいたほうがいいと思いますけどね?
まあ、いま事故が起きたとしたらオーストラリアのウィリアムズタウンまで運んでいくのでしょうけども。
ちなみにF-35Aの航続距離は機内の燃料だけであれば2200km以上とされています。
スペックシートで「以上」と書かれていた場合、上がどれだけ伸びるかは分からないというのが軍事的な常識でして。
倍の距離を飛んだとしてもなんの不思議もないところ。
でもまあ、さすがにスペックシートの数字の4倍近い航続距離はないでしょうから空中給油機を使うか、記事中にあるように韓国→グアム→オーストラリアのタウンズビル→MRO&U拠点のあるウィリアムズタウンと2000km台の飛行を繰り返すのが妥当なのでしょうが。
基地使用の許諾をとって、かつ1万8000km分の燃料を使って、さらに機体寿命を縮めてまでやることですかね。
さらに冒頭に書いたような事故等、なんらかの理由で飛べなくなった場合は船便で運ぶわけで……。
まあ、それが韓国の選択であるというのであればしょうがないですかね。
あと最大の問題がソフトウェアのアップデート。
F-35はソフトウェアのアップデートでかなりの性能向上が見込める機種となっています。
現行はブロック3F。とりあえずの完成形とされているバージョン。
数年後にブロック4のリリースが予定されています。
おそらく重整備が必要になるよりも前にリリースされるんじゃないでしょうかね。
ブロック4にバージョンアップする際にはMRO&Uでのアップグレード処理が必要とされています。F-35の整備拠点にはこれまでにない&Uという文字があるのですが、これがUpgradeの頭文字。
韓国は現状で40機、追加でさらに20機のF-35(この中にF-35Bも?)を導入しようとしています。
ブロック4にアップグレードするためだけに8500kmの旅をしなければならないのですよ。
それ以外にも半年ていどに1回、細かいバージョンアップがあるようですが、これは各基地でできるはず。
ほんの800km先にMRO&U拠点があるのに、国の威信のせいでその10倍の距離を飛んでいかないといけないのだから大変だ。
今のところ在韓米軍の第7空軍にはF-35は配備されていませんが、もし配備されることになったら当然のように日本のMRO&U拠点を利用するのでしょう。
それ以外にもイギリスにはクイーンエリザベス級のどちらかを極東に常駐させるという意向があるようですが、艦載機のF-35Bも日本を利用することがあるでしょうね。
おそらく対中国のための常駐でしょうから、日本のほうが近いのかなぁ。
まあ、そうして日本の拠点が外国にも使用される中、なぜか韓国のF-35Aははるばるオーストラリアに向かうっていうね。
なかなか面白い構図ではあると思います。
日韓関係を説明するための簡単な例として使えるのではないでしょうかね。