オムロンは22日、1・5トンまでの荷物を人や障害物を避けながら搬送できるロボット「モバイルロボットHD-1500」を発売した。同社によると、自律型の搬送ロボとしては世界で最も重い荷物を運べるという。工場や物流倉庫などで重量物や多くの荷物を搬送できるほか、省人化により新型コロナウイルスの感染対策で求められる密集や密接の回避にも役立つ。
新発売した搬送ロボは全長約170センチ、幅約120センチ、高さ37センチ。自動車の車体など1・5トンまでの大型の資材を秒速1・8メートルの速度で目的地まで自動で搬送できる。最大積載の状態で最長9時間稼働し、バッテリーが減れば自動で充電器に接続して約40分間で充電が完了する。
レーザースキャナーを備え、最初に搬送コースを走行させて周辺の地図を認識させれば、床に磁器テープなどを張って誘導しなくてもパソコンなどからコースを編集できる。AI(人工知能)も搭載し、人や障害物などを自動で回避することができる。
同社はこれまで可搬重量が250キロまでの搬送ロボを展開していたが、顧客からさらに重い部品などの搬送に対する要望が強く、新製品では可搬重量を1・5トンまで拡大した。
工場や物流倉庫などでの使用を想定しており、同社広報は「重い荷物の搬送など単調で危険な作業を任せられるだけでなく、作業員らの密集、密接を回避する策としても使ってほしい」としている。