業者とアプリケーション開発の委託契約を締結する際、自身の利益にするために不必要な機器の代金を上乗せし、会社に約450万円の損害を与えたとして大阪府警捜査2課などは23日、背任容疑で兵庫県宝塚市小林の元NTT西日本課長、安永健治容疑者(49)を逮捕した。府警は認否を明らかにしていない。
府警やNTT西日本によると、安永容疑者は平成27年4月から昨年11月まで、人工知能や情報通信技術分野に関する研究開発業務を担当する部署で、業者の選定や契約などを統括する立場だった。昨年9月に不正が発覚し、同11月に懲戒解雇された。
逮捕容疑は、NTT西が東京のプログラム製造業者に約2600万円でアプリケーション開発を委託する際、実際には必要のない外部記憶装置の代金約450万円を上乗せして契約。平成30年4月に関連会社に代金を支払わせ、NTT西に損害を与えたとしている。
府警によると、安永容疑者は同装置の納品を担当した物品調達業者に、製品をiPadや腕時計などに変更した上で、自身の関係先に届けるよう指示。iPadを中古品買い取り業者に転売し、約250万円を得ていたとみられる。
NTT西は「不正行為が発生したことを厳粛に受け止め、改めて全社員のコンプライアンス意識と管理の徹底を図る」などとコメントを出した。