大阪府は28日、新たに155人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの新規感染者数としては24日の149人を超え、過去最多。この日開いた対策本部会議では感染拡大防止のため、家族を除く5人以上での飲み会を自粛するよう府民に要請することを決めた。期間は8月1日から20日まで。
府は病床使用率が重症患者用で35%になるか、軽症・中等症用で50%に達した場合、警戒レベルを引き上げ、過去にクラスター(感染者集団)が発生した業種で、感染防止対策を取っていない店舗に休業を要請することとした。
会議では、自粛要請の基準「大阪モデル」で警戒の黄信号が点灯した7月12日以降の感染者数などを踏まえ、感染急拡大の兆候がみられるとして、府民の行動変容を促す必要があるとの意見が出た。
夜の繁華街で飲食店に出入りした若年層を中心に感染が広がっており、府は経済団体や大学を通じ、5人以上での飲食を控えるよう呼びかける。
「5人以上」とした理由に科学的根拠はないが、吉村洋文知事は「基準を明確にすべきだ」と主張。朝野和典・大阪大大学院教授は「少人数のほうが感染拡大の可能性も小さくなる。行動変容のきっかけをつくることが重要だ」と述べた。
感染から発症まで2週間程度かかる上、呼びかけの効果を見極めるため、自粛要請期間を20日間とした。
患者の受け入れ態勢を「見える化」するため、大阪モデルの参考指標に軽症・中等症病床の使用率と軽症患者を受け入れている宿泊施設の部屋の使用率を新たに加え、毎日更新する。
感染者の早期把握のため検体採取能力も強化。保健所を介さない地域外来・検査センターを複数設置するほか、医療機関での検査を増やすなどして、現在の1日当たり約1800件を8月初めに約2300件まで拡充する。