山形県の最上川で29日朝にかけて降り続いた大雨は、コメどころ山形県を直撃した。
最上川が3カ所にわたって氾濫した大石田町。川沿いに広がる豊田地区では、コメ専業農家の青藤庫治(あおとう・こうじ)さん(73)が疲れ切った表情を浮かべ、「ここで生まれ育ったが、こんな大雨は初めてだ。2年前の大雨でも、ここは大丈夫だったのに」と悔しがった。
約1ヘクタールの水田を営む青藤さん。水につかった水田を眺め、「コメが心配だ。まだ花芽が咲く時期ではないので、大丈夫だと思うのだが…。何とか持ちこたえてほしい」と言葉少なに話した。
同地区は、コメだけでなくソバの産地でもある。地区でソバ畑を営む草刈歩(あゆみ)さん(39)は「朝、見てきたら、畑は全部冠水していた」と、がっくり。畑に植えるソバは水に弱く、再度まくには、2倍の資金が必要になるという。「ソバは全部だめでしょう」と、力なく続けた。
草刈さん方はコメも作っており、夫の一将(かずゆき)さん(38)は「水が引いてみないと分からないが、コメがいったい、どうなるのか難しいところだ」と話した。