政府は30日、経済財政諮問会議を開き、内閣府による経済見通しを示した。令和2年度の国内総生産(GDP)成長率を物価変動を除く実質でマイナス4・5%程度とし、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ1月段階の見通し(1・4%)から大きく引き下げた。今秋に海外で感染拡大の第2波が起きた場合はマイナス5・0%程度とした。ただ、民間予測よりマイナス幅は小さい見込みで政府の楽観姿勢が目立つ。
コロナ禍による外出自粛で消費や設備投資が大幅に減ったことや、世界的な経済活動の停滞で輸出が低迷したことなどが影響した。
今回初めて示した3年度の予測では成長率を3・4%、第2波が発生する悲観シナリオでも3・0%とした。コロナ禍に対応した新たなモノやサービスが定着すること、デジタル化の推進で個人消費や設備投資が来年に向けて回復することを見込んだ。
ただ、今回の見通しは「実現を目指すべき経済の姿」(内閣府)についての試算で、コロナ対策の効果が最大限発揮されることを前提としている。そのため民間エコノミストなどの客観的な見通しと比べて高く見積もられており、実際には下振れる可能性が高い。