【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】米メディアは1日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を完全売却する方針を固めたと報じた。同社は売却後も一部株式を保有し続ける意向だったが、中国企業による参画を問題視する米政権に配慮し、断念した。今後はアプリの使用禁止に言及したトランプ米大統領が、どのような法的根拠で実施できるのかといった判断が焦点になる。
ポンぺオ米国務長官は2日の米FOXニュースでトランプ氏が「行動を数日内にとるだろう」と述べた。
ティックトックの米事業の売却先には米マイクロソフト(MS)が有力視されている。ロイター通信によると、米国事業をMSが引き継げば、アプリが収集した米国利用者の個人情報などをMSが管理できる。
データ流出を懸念するトランプ政権は、バイトダンスや同社創業者らが米国法人に出資を残すことを認めなかったとみられる。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は1日、MSがトランプ氏の発言を受け、政権の真意が確認できるまで買収交渉を中断していると報じた。政権内ではMSによる買収支持と、全面禁止案で意見が割れているという。
これに対し、バイトダンス側は2日までに、米国事業の売却報道について「デマや推測にはコメントしない」とした。中国インターネットメディアの「国是直通車」が報じた。