京都府警下京署は12日、京都市下京区河原町通塩小路下ルの市営住宅の一室で、住人のアルバイト山村留美乃(るみの)さん(24)が11日に遺体で見つかり、首などに刺されたような複数の傷があったと発表した。府警は殺人事件と断定し、12日午後1時に下京署に62人体制の捜査本部を設置した。遺体を司法解剖して詳しい死因を調べている。
【写真】24歳女性の遺体が見つかった市営住宅
12日午後2時から下京署で記者会見が始まり、川瀬敏之捜査1課長と西元博史下京署長が、事件の概要の説明を始めた。
川瀬捜査1課長によると、現場は3LDKの部屋で、山村さん本人の寝室とみられる部屋で血まみれになって倒れているのを、親族が発見して110番した。Tシャツにショートパンツ姿で、着衣の乱れはなかった。山村さんは1人暮らしで、親族が駆けつけたとき、部屋は施錠されていたという。
血痕とみられる痕跡が、寝室以外にも一部あったが、犯行現場は寝室とみられる。現場から盗まれたような物は確認されていないという。
山村さんを巡るストーカーなどのトラブルなどは把握していないという。
山村さんの体には、首の左に刃物でつけられたとみられる大きな傷があったほか、他にも10カ所を超える刺し傷があった。凶器は刃物とみられるが、犯行に使われた凶器は見つかっていないという。
山村さんは10日と11日のアルバイトに来ておらず、11日に勤務先が遺体を発見した親族に連絡した。親族は合い鍵で山村さんの部屋に入ったという。
山村さんは布団の上に倒れていたという。
現場はJR京都駅から東に約1キロ。山村さんは10階建て市営住宅の7階に住んでいたという。府警は市営住宅の入り口に規制線を張り、鑑識作業をする捜査員らを住民らが不安そうに見守っていた。
同じ市営住宅に住む女性(83)は「散歩に出たら、警察官がたくさん行き来していて何事かと思った。犯人が逃げているなら怖い」とおびえた様子だった。