去年4月、東京豊島区の池袋で車を暴走させて親子2人をはねて死亡させ、9人に重軽傷を負わせた過失運転致死傷の罪に問われている飯塚幸三被告(89)の初公判が8日に行われ、飯塚被告は「アクセルを踏み続けたことはなく、車に何らかの異常が発生して暴走したと思っている」などと話し、無罪を主張した。弁護側も、事故に関して「事故は車の制御システムの異常」とし、過失運転致死傷罪は成立しないと無罪を主張しているが、検察側は「車は事故の1カ月前に点検を受け、アクセルやブレーキに異常はなかった。ブレーキを踏んだ形跡もない」などと指摘、反論している。
【映像】「私を有罪に」もう1つの高齢者事故裁判
初公判で飯塚被告の主張を目の当たりにした遺族は、前述のように無罪を主張した被告に対して「2人の命と遺族の無念に向き合っていると思えない」と話した。
相次ぐ高齢者による交通事故を法廷はどう裁くべきか。その二日前には、おととし、群馬県前橋市で車を運転中に意識を失い、女子高校生2人をはねて死傷させた罪で起訴された川端清勝被告(88)の控訴審が東京高裁で行われ、現在、福祉施設に入所している被告は代理人を通じて驚きの主張を行った。