日本学術会議が推薦した6人が菅総理から任命されなかった問題について、山極寿一前会長が11日に行われたシンポジウムで、「会長であった私がきちんと交渉すべき問題だった」などと語りました。
この問題をめぐっては、学術会議側が菅総理に対し任命を拒否した理由の説明と6人の任命を求める要望書を提出しています。
先月まで学術会議の会長を務め、今回の会員の選考に関わった京都大学前総長の山極寿一氏は、11日に行われたコロナに関するシンポジウムの冒頭挨拶で「世間をお騒がせして誠に申し訳ない」と謝罪した上で、「会長であった私がきちんと交渉すべき問題だった」などと語りました。
「内示が、つまり6人の方々が任命から外れたという通知が入ったのは、私が退任をする2日前でございまして、即刻、そのことについて内閣の方に問い合わせた訳でありますが、なんら回答が得られず、退任直前になって文書で菅総理にその理由を説明して頂きたいというふうに申しあげた次第でございます。残念ながら、今に至るまで任命を拒否された理由は明かされておりません。わたくしは、これは非常に遺憾なことだと思っております。国の最高権力者が意に沿わないものは理由無く切る、問答無用であるというふうに明言することは、その風潮が日本各地に広がることが懸念されるからです。これは、民主主義の大きな危機でございます」(山極寿一前会長)
山極前会長はこう述べた上で、菅総理に対し賢明な政権運営を求めました。(17日12:32)