台湾のファウンドリー(半導体受託生産)企業TSMCが日本人エンジニアを採用するなど日本市場攻略を加速している。日本はソニーなど大手半導体メーカーがあり、TSMCやサムスン電子としては「逃してはならない市場」に挙げられる。サムスン電子は29日にファウンドリー関連技術協力案を模索する「SAFE2020日本フォーラム」を開きTSMCに対応する。
28日の半導体業界によると、TSMCは6月に東京にデザインセンターを開設し最近採用を始めた。デザインセンターはファウンドリー企業の顧客であるファブレス(半導体設計専門企業)の設計を基に製品をファウンドリー工程に合わせてデザインする所だ。TSMCデザインセンターは台湾や米国など4カ国にだけある。
TSMCが日本で採用する職群はメモリーデザインエンジニアなど7種類だ。技術流出への懸念から韓国人エンジニアは採用しないという。
日本はソニー、ルネサス、三菱電機など大手半導体メーカーがあり無視することはできない市場と評価される。市場調査会社のオムディアによると、日本のファブレス関連産業規模は2018年基準で世界5位の61億ドル水準だ。
半導体業界では「TSMCが韓日の産業界が遠ざかった合間を利用して日本国内での影響力を拡大しようとしている」という分析が出ている。日本の技術力を活用して3ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)以下の超微細工程競争で優位を占めようとする意図も読み取れる。TSMCは昨年11月には日本最高の頭脳が集まった東京大学と共同技術研究協約を締結した。
サムスン電子はSAFE2020日本フォーラムを通じて日本事業拡張を推進する。SAFEフォーラムはファウンドリー協力会社の開発者と技術動向を共有する行事で、昨年から開かれた。
この行事にはサムスン電子ファウンドリー事業部のパク・ジェホン副社長、インテルのグラフィック処理装置(GPU)事業を担当するラジャ・コドゥリ首席副社長らがスピーチに出る。