《大阪維新の会の松井一郎代表(大阪市長)と吉村洋文代表代行(大阪府知事)は「力不足」という言葉を繰り返し、敗戦の弁を述べた。報道陣は身を乗り出して質疑を聞いている》
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--都構想の議論は今回で終わりなのか
松井氏「僕は終わりです。でも20年、30年後は分からない。大阪を愛することで大阪の行政がバラバラに対立するような時期がくれば、吉村世代やその後の世代が(都構想のような)考えを持つかもしれないが、今回は結果が出た。(自分の任期で)府市の仕事の役割分担は進んだ。そういった形の中で府市が一体感を持ち、役所は存続したまま動いていく」
《自身の都構想への再挑戦については、はっきりと否定した松井氏。ただ、維新として都構想に挑戦する可能性については含みを残した。いつもは強気の姿勢で報道陣とやりとりする松井氏だが、この会見では敗北したにも関わらず、終始穏やかな表情を浮かべている》
--「負けたけど、笑顔」と、5年前の敗戦の弁で(維新前代表の)橋下徹氏は発言していた。松井さんは今どんな気持ちか
松井氏「やることはやった。後悔はない。政治家としていい舞台をくれたとみなさんに感謝したい。存分に戦った。落ち込むこともない。心が晴れている。そういう気持ちだ」
--前回反対だった公明党が賛成に転じたにも関わらず、都構想は否決された。改めて敗因は
松井氏「何度も言うように、僕の力不足。変化というものに対してみんな不安がある。その不安を僕が払拭できなかったということ」
《あくまで自身の力不足を敗因と強調する松井氏。横では吉村氏がテーブルの上の水を一口飲み、次の質問に答えた》
--吉村さんは「思いが強い方が勝つ」と投票前に話をしていた。代表代行として結果をどう捉えているか
吉村氏「僕自身も力不足。市民の方々にご理解いただけなかった。反対派の方が、大阪を思う気持ちが強かった。僕らの熱量よりも、大阪市を残したい市民の思いの方が強かったのだと思う。大阪都構想は間違っていたのだろう。僕は政治家を続ける中で、都構想に挑戦することはもうないと思う。本当にやりきったという思いだ」
《吉村氏は都構想を掲げたことを間違えだった、と振り返った。その目は赤く、うるんでいた》