大阪府の吉村洋文知事(45)が2日、フジテレビ系「とくダネ!」にリモート出演。「大阪都構想」の住民投票否決から一夜明けて、現在の心境を語った。
紺色のジャンパー姿の吉村知事は「夜も遅かったですし、ほとんど寝てないです」と若干疲れた表情。昨晩の会見を「僕自身はやり切ったという思い。大阪の将来のことを考えて投票してくださった市民の皆さんに本当に感謝だなと。ある意味すがすがしい思いで話してました」と振り返った。
また共に都構想を推進した松井一郎市長(56)は市長の任期をもって、政界を引退する意向を表明した。これを受け吉村知事は「大阪の未来のためには都構想が必要だと今でも思ってます。ただ市民の皆さんの考え方が民主主義では僕の上に位置する。否決されたことで、僕の考えが間違っていた」と自身の力不足を認めた。その上で「2年半しっかりやって、任期前に自分の人生も考えた上で進退を判断したい」と決断を先延ばしにした。
「都構想」は2015年に続き、2度目の否決となった。3度目の挑戦について吉村知事は「もうないです。力の限り説明、活動しました。将来また改革政治家が出てくるかも分かりませんが、僕自身が掲げることはないです。もうやりきったと思っています」と断言した。
投票日直前には一部新聞に「行政コストが年間218億円増える」と報じられ、大阪市側が「誤った考え方に基づき試算した数値」と訂正。吉村知事は「結果論ですので『たられば』を言うべきじゃない」としつつも「もちろん影響はあっただろうと思っています」と話した。さらに「恨み節を言うつもりは特にない」としたが、「選挙期間中は僕もわあわあ大騒ぎして、『おかしいやんか』と大騒ぎしましたけど」と現場の混乱を明かしていた。