2日、ソウル江南区江南大路にある店が廃業して門を閉めた。パク・ヒョンジュ記者
「売り上げが半分になりました。来年には最低賃金がまた上がるというのにどうすればいいでしょうか」
ソウル江南区(カンナムグ)のチキン専門店で2日会ったキム・ヨンジュン(47)社長の話だ。午後2時ごろ、約36坪のキムさんの店にお客さんは2人だけだった。キムさんはため息をついて「江南大路にある店と家賃だけで2000万ウォン(約185万円)近くするのに大変だ」とし「昨年今頃、一カ月に1000万ウォンを儲けたとすれば今は400万~450万ウォン程度水準」とした。
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の余波で「大韓民国の最高商圏」と呼ばれる江南大路商圏も直接的な影響を受けている。ソウル江南の繁華街で24時間営業の海苔巻き専門店を運営する50代の店主チョンさんは「江南大路道路周辺にある店なのに人々が来なくてコロナ禍以前より売り上げが30%程度減った」として「政府が家賃を割り引いてくれるというが、税金を払えば厳しいのは同じで最低賃金も上昇して人を雇えないからそれこそ『その場凌ぎ』ではないか」と打ち明けた。
江南駅後方の二面道路で麻辣湯(マーラータン)店を運営する店主のキム・ヨンナムさん(31)の事情も変わらなかった。キムさんは「新型コロナが広がり始めた5月から売り上げの3分の2程度が減った」として「社会的距離の確保が緩和されて最近売り上げが少し上がってきてはいるが、不安定なのは同じ」と明らかにした。また、キムさんは「本来職員5人が働いていたが、3月から私を含んで2人だけが働いている」とし、「元々流動人口が多く売り上げが多いところだが、お客さんが減ってひどい時は売り上げがマイナスになったりもする」と嘆いた。
地下鉄2号線江南駅から9号線新論ヒョン(シンノンヒョン)駅まで江南大路に沿っていくと、ビルの低層部の4カ所のうち1カ所が空いていた。江南大路辺りに位置した「Aビル」のある有名フランチャイズ飲食店の入口には赤色で大きく「賃貸」と書かれた垂れ幕がかかっていた。2014年に入店して約6年間運営してきた食堂だが、8月末新型肺炎による売り上げの打撃を受けて閉店した。この建物の4階に位置したビアガーデンも売り上げが減って閉店した。
行政安全部の地方行政許認可データによると今年1月から8月まで廃業商店街数が江南区だけで3929店で、ソウル市25自治区(3万8000店)の中で1位だ。空室率も高かった。韓国鑑定院の「2020年7-9月期商業用不動産賃貸動向調査結果」によると、江南圏中大型商店街の空室率は昨年10-12月期8.0%から今年7-9月期11.3%に増加した。この中で江南大路の中大型商店街空室率だけで16.4%に達する。
明智(ミョンジ)大学不動産学科のクォン・デジュン教授は「新型肺炎局面に入って江南商圏すら持ちこたえることが難しい姿を見せているが、今後相当期間このような流れが続くとみられる」として「実績に比べて高い家賃を払っているうちに廃業率が増加した。賃貸料を半分程度に減免するなどの対策が必要だ」と強調した。建国(コングク)大学不動産学科のチョ・ジュヒョン教授は「根本的には賃貸人と賃借人が共生する雰囲気を作るのが大事」として「企業が事業を上手く展開できるように政府が経済的環境を作る必要がある」と指摘した。