韓経:外国人が帰ってきた韓国株式市場


バイデン米民主党大統領候補の当選が有力になった中、5日、韓国の株価は大幅に上昇し、ウォン高ドル安が進んだ。この日、ソウル乙支路(ウルチロ)のハナ銀行ディーリングルームでディーラーが米大統領選の開票放送を見ている。 キム・ヨンウ記者
バイデン米民主党大統領候補の当選が有力になった中、5日、韓国の株価は大幅に上昇し、ウォン高ドル安が進んだ。この日、ソウル乙支路(ウルチロ)のハナ銀行ディーリングルームでディーラーが米大統領選の開票放送を見ている。 キム・ヨンウ記者

「2つのリスクが消えた」。米大統領選挙の結果がバイデン民主党候補の勝利に傾き、KOSPI(韓国総合株価指数)が2400を回復すると、証券業界からこのような言葉が出てきた。国内株式市場を抑えていた大株主の譲渡税に続き、米大統領選挙という悪材料が除去されたことで、来年上半期まで上昇曲線を描くという見方が出ている。「大統領選挙不服」という不確実性が残っている米株式市場も、民主党が大統領選と上下両院選を制する「ブルーウェーブ」の期待には及ばなかったものの、環境・バイオを中心に成長が続くと専門家はみている。

◆帰ってきた外国人

不確実性が消えると、韓国株式市場に外国人が戻ってきた。5日の有価証券市場で外国人は1兆1411億ウォン(約1050億円)の買い越しとなった。これは過去9番目に大きい金額。2つの悪材料が解消した影響だ。外国人はサムスン電子、LG化学、サムスンSDI、SKハイニックスなど時価総額上位企業を買った。外国人の買いが入ると、個人は一日に1兆6201億ウォン分を売った。過去最大だった2011年12月1日(1兆6809億ウォン)とわずか600億ウォンほどの差だ。不安を感じていた個人投資家は株価反騰を差益実現の機会と見なした。マッコーリー投資信託運用のチョン・ギョンデ株式運用本部長(CIO)は「先物まで含めると外国人は2兆ウォン近い買い越しとなった」とし「一日に1兆ウォン以上の買い越しは、不確実性の除去という確信を持って投資をしたとみられる」と説明した。

◆米ハイテク株が急騰

前日、米株式市場もハイテク株を中心に急騰した。米政治権力の構図が「ねじれ」になったが、上昇の勢いは続いた。ニューヨーク株式市場でS&P500指数は2.20%、ハイテク株中心のナスダックは3.85%上昇した。フェイスブックは8.32%、アルファベット(グーグル)は6.09%値上がりした。マイクロソフト(4.82%)とアップル(4.08%)も大幅に上昇した。

バイデン氏が大統領になっても上院の過半数を共和党が維持するシナリオは、大規模な財政拡大を期待してきたウォール街の立場では好ましくない構図だった。しかしバイデン氏が主張した規制と増税が共和党の反発にぶつかるという期待がハイテク株に投資家を引き込んだ。メリッツ証券のイ・ギョンス・リサーチセンター長は「共和党の反対で浮揚策の規模が縮小するかもしれないが、市場の不確実性が除去されたという点が浮き彫りになった」と説明した。

◆「債券の利回りはさらに低下」

主要債券の利回りは一斉に低下した。金融投資協会によると、この日、3年物国債の利回りは前日比0.028%ポイント低下した年0.927%となった。5年物と10年物も0.03%ポイント以上低下した。米共和党が上院を掌握する可能性が高まり、大規模な景気浮揚策に対する期待値が落ちた点が反映された。当初、債券市場ではバイデン氏の大統領当選と民主党の上下両院同時掌握で大規模な国債発行による攻撃的な財政政策が展開されるという見方が優勢だった。物量増加で債券価格が下落(利回り上昇)すると予想していた投資家が一斉に売り、3年物国債の利回りは3日に年0.98%まで上がった。

しかし共和党が上院を守ったことで景気浮揚策が施行されるまで時間がかかるという見方が強まっている。NH投資証券のカン・スンウォン研究員は「バイデン氏の当選が確定すれば、また景気浮揚に対する期待が強まり、年末まで利回りは緩やかに上昇するだろう」と予想した。



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