
愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)を目指す団体「愛知100万人リコールの会」会長で美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が7日、名古屋市で記者会見し、運動の終了を宣言した。自らの健康状態の悪化で「陣頭指揮を執ることが不可能になった」と理由を説明した。
解職の賛否を問う住民投票には9月の県試算で法定数86万6500人超の署名が必要だが、4日提出した署名は計43万5231人分と約半分にとどまり、成立が困難な状況だった。
署名運動は8月下旬に始まった。高須氏は、コロナ禍で「最初の1カ月は運動ができなかった」と指摘。選挙で署名が一時中断した5市町では署名期間が継続しており、「運動を続ければひっくり返す状況は十分ある。敗北宣言ではない」と述べた。
運動を応援してきた名古屋市の河村たかし市長も同席し、「大きいのはコロナだ。ミニ集会などもできなかった」と釈明した。
高須氏らは、同県で2019年に開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」を巡る対応に問題があったとして、実行委員会会長を務めた大村知事の解職を求めていた。【岡正勝】