静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は2日、記者会見を開き、市の広報誌などで「東洋大法学部卒業」としていた自身の学歴について「卒業と認識していたが、除籍だった」と明らかにした。市議会が学歴詐称の疑いがあるとして追及していた。市議会は7日に辞職勧告決議案を提出する方針で、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委)も設置される見通し。
田久保市長は会見で、6月28日に大学を訪ねて卒業証明書を申請しようとした際、初めて除籍と知ったと釈明した。5月の市長選で前職を破り初当選したばかりで、市の広報誌7月号の新市長紹介では「卒業」と明記。選挙前の報道各社の取材にも「東洋大法学部経営法学科卒」と回答していた。
一方、選挙期間中の選挙ビラには「東洋大学へ進学」と記載しており、田久保市長は「自ら卒業と公表していない。公職選挙法上は問題ない」と弁明した。進退については「市民の意見を真摯(しんし)に受け止めていきたい」と明言を避けた。
学歴詐称疑惑は、市議に詐称を指摘する差出人不明の文書が郵送されたのが発端。田久保市長は6月25日の市議会で卒業の証明を迫られたが、「怪文書の要求を満たすのは助長になる」と拒んでいた。また、市議会議長らに卒業を証明する文書を提示したと主張していたが、中島弘道議長は「ごく短時間で、細かく確認できなかった」と話している。【若井耕司】