【ロンドン=広瀬誠】英上院は9日、欧州連合(EU)からの離脱協定の一部をほごにする法案を巡る採決を行い、協定に違反する条項の削除を圧倒的多数で決めた。国際法違反となる内容に対し、与野党から「英国の評判を傷つける」など批判が相次いでいた。法案は下院での審議に戻る。
法案は、英領北アイルランドと英本土間の通関手続きの省略を認めるなどとし、離脱協定に反する内容を含むが、下院は通過していた。上院議員は任命制のため、選挙で議員を選ぶ下院が優越する。上院は法案を拒否できないが、文言は修正できる。英紙ガーディアン(電子版)によると、政府の報道官は、下院で問題の条項を復活させる考えを示した。