ロンドン(CNN) 英司法省は13日、1975年から80年にかけてイングランド北部で次々に女性を殺害し、メディアから「ヨークシャーの切り裂き魔」と呼ばれたピーター・サトクリフ受刑者が病院で死亡したと明らかにした。同受刑者は新型コロナウイルスに感染していた。
サトクリフ受刑者は81年、女性13人の殺害および7人の殺人未遂で有罪判決を受けた。以降は終身刑に服していた。
新型コロナ検査で陽性と判定される前から基礎疾患を患っていたが、刑務当局は死因について「検視官が解決すべき問題」に当たるとして明言しなかった。
英PA通信によると、サトクリフ受刑者は厳重警備が敷かれた精神病院に長年収容された後、2016年に容体が十分安定したとみなされ、ダラム州の刑務所に移送された。
一連の事件を巡っては、1981年に警察に犯行を自供したものの、公判では一転して無罪を主張。ロンドンの中央刑事裁判所で行われた公判では、神から売春婦を殺害する使命を与えられたと主張した。
サトクリフ受刑者は46年、ウェストヨークシャー州ビングリーで生まれた。仕事はトラックの運転手や墓掘人などを転々とした。
結婚から1年もたたない75年10月に初めて殺人を実行。被害者は4人の子どもを育てながら性労働に従事していた28歳の女性で、ハンマーで殴られ、刃物でめった刺しにされて死亡した。
サトクリフ受刑者はその後5年間にわたり犯行を重ねた後、81年1月に逮捕され、同年5月に終身刑20回の判決を受けた。その犯行はイングランド北部に影を落とし、多くの女性や少女が日没後の外出を恐れる事態となった。