【ワシントン=横堀裕也】米国のトランプ大統領は13日の記者発表で、米製薬大手ファイザーが開発する新型コロナウイルスのワクチンについて「早ければ4月にも全国民に提供できるようになるだろう」と述べた。ただ、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、トランプ政権が推奨するワクチンの安全性などに懸念を表明していることを踏まえ、「ニューヨーク州は除外する」と語った。
ファイザーは9日、独製薬企業ビオンテックと共同開発するワクチンについて、最終段階の臨床試験で9割超の参加者に予防効果が確認されたとする中間結果を発表した。トランプ氏は米食品医薬品局(FDA)が早期に緊急使用許可を出すとの見通しを示した上で、政権としてワクチン開発を支援してきた実績を強調し、「ほかの政権であれば、開発に3~5年はかかっただろう」と成果を訴えた。
一方、クオモ知事は13日、米CNNのインタビューで、FDAの判断とは別に、州独自でもワクチンの安全性を検証する考えを改めて強調し、「トランプ氏は政府機関を報復の道具としか思っていない。人をいじめたいだけだ」と反発した。