受注低迷に船舶価格下落まで、造船業界二重苦


サムスン重工業が建造した原油運搬船。[写真 サムスン重工業]
サムスン重工業が建造した原油運搬船。[写真 サムスン重工業]

造船業界が年末を控え受注にスパートをかけているが、船舶価格は底から抜け出せずにいる。業界は2016年以来の受注低迷から脱却するため全力を上げているところだ。しかし船舶価格下落で「損する商売」にならないか懸念も深まっている。

韓国造船海洋とサムスン重工業は17日、それぞれ原油運搬船の販売・供給契約締結を公示した。この日韓国造船海洋はオセアニア所在の海運会社と30万トン級超大型原油運搬船(VLCC)10隻の受注契約を結んだ。金額は9857億ウォンで1隻当たり価格は8840万ドルだ。サムスン重工業も1隻当たり5820万ドルで12.5万~20万トンのスエズマックス級原油運搬船3隻を受注した。

だが単価は昨年末より4~5%低い。造船・海運分析機関のクラークソン・リサーチによると、昨年12月にVLCCの新造価格は9200万ドル、スエズマックス級は6150万ドルだった。アフラマックス級(11万5000トン)など10万トン以下の船舶価格も今年全般的に下落した。

他の船種も同様だ。今月2万TEU級コンテナ船の平均価格は1億4250万ドルで先月の1億4400万ドルより小幅に下がった。また、今年の平均価格は1億4460万ドルで昨年平均の1億4690万ドルより低い。大型コンテナ船は最近新型コロナウイルスの余波によって注目される船種だ。下半期に入り海運需要が増えたのに対し船腹(海運旅客・物流サービス)量は足りず中国~米国路線の場合、運賃が2倍ほど高騰したためだ。しかしこれはまだ新造発注につながっていない。

NH投資証券のチェ・ジンミョン研究員は「グローバル景気が良くないため中古市場に出てきた船が多い。今年中古コンテナ船価格は2~3%落ちた」と話した。ただ「受注の崖を体験した2016年水準まで落ちており、これ以上は下落しないだろう」と付け加えた。

世界の海運会社の発注がまばらな中で受注競争が激しくなった点も船舶価格下落をあおった。業界関係者は「物量が少なければ造船会社は受注に向け(海運会社に)しがみつくほかない。価格が下がるしかない」と話した。

船舶価格反騰は容易ではないものと観測される。チェ・ジンミョン研究員は「コンテナ船の場合、中古相場が上がるか、発注が大きく膨らみでもしなければならないが、両方とも期待し難い。LNG運搬船の場合、来年のカタールプロジェクトの発注を受けるため価格がさらに下がるかもしれない」と話した。業界によるとカタール国営石油会社は来年韓国造船大手3社と最大100隻の受注契約を結ぶ計画だ。

今年17万4000立方メートル級LNG運搬船の単価は1億8600万ドルで固定されている。昨年平均の1億8540万ドルより小幅に上がったが、4年前の2016年末の1億9700万ドルよりは5%ほど低い。

下半期に入りドル安になった点も造船業界としては困惑だ。造船大手3社の場合、ほとんどが輸出に依存しており、すぐに業績に影響を及ぼした。ある業界関係者は「ドル安のため営業利益の側面で10~20%ほど影響を及ぼしただろう」と話す。平均為替相場は9月の1ドル=1178.8ウォンから先月は1144.68ウォンと2.9%下落した。今月の平均為替相場は1124.64ウォンとさらにドル安が進んでいる。



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