
韓国統一部(省に相当)の李仁栄(イ・インヨン)長官が「南北が(コロナ)治療薬とワクチンの分野で互いに協力できれば、北朝鮮としては防疫による経済的犠牲から抜け出すきっかけを得られると思う」とした上で「(コロナ・ワクチンが)多少は足りないとしても、足りない時に共に分け合うことが本当の分かち合いだ」と述べた。全世界がワクチン確保戦争を行っている中、今に至るまで韓国政府はワクチンを全く確保できていないにもかかわらず、北朝鮮に持って行くことから先に考えているのだ。ところが北朝鮮の宣伝メディアは翌日「なくても良い物資のために国境の外をながめながら子供たちを見殺しにするのか」と主張した。李長官の提案に対し「必要ない」として受け流したと解釈できるだろう。
■コロナ禍の世界で安全な国3位に韓国、1位は?
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今年の3・1節の記念辞で「南北間の防疫協力」を提案した。すると北朝鮮は翌日、新型放射砲を使った挑発でこれに応えた。青瓦台(韓国大統領府)が遺憾を表明すると、金与正(キム・ヨジョン)氏は「おびえた犬」「ばか」などと侮辱した。昨年、文在寅政権は北朝鮮に対し「食料を受け取ってほしい」と懇願するかのように呼びかけたが、北朝鮮は「恩着せがましい」「みっともない」としてこれを無視した。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が核とミサイルを引き続き増強しても、逆に韓国政府は何も提供できずにもどかしがり、そのたびに北朝鮮がこれを足蹴にするパターンが繰り返されている。惨憺たる思いだ。