千葉県教育委員会は18日、勤務先の公立中学校の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、男性教員(30)を懲戒免職処分とした。県教委による今年度の懲戒処分(監督責任除く)は計10件となり、このうちわいせつ・セクハラ事案が7件と突出している。県教委は各学校に対し、改めて綱紀粛正を求めた。
「被害者や家族の心身を深く傷つけ、県民の信頼を根幹から裏切る行為。深くおわびする」。吉野美砂子・教育次長は県庁で記者会見し、深々と頭を下げた。
発表によると、男性教員は6月末頃から今月1日までの間、女子生徒1人と許可なく私的にLINEや電話でやり取りをし、自家用車やホテルで複数回、わいせつな行為をした。
女子生徒の母親が2日、学校に相談した。男性教員は行為を認め、県教委の聞き取り調査に「仕事の悩みがあり、精神的に不安定な時に明るく接してくれた女子生徒に好意を持ってしまった」と話した。
県教委は監督責任を問い、校長(58)を減給10分の1(1か月)の懲戒処分とした。男性教員の氏名や学校名などについて、県教委は「女子生徒のプライバシー保護のため」として公表していない。
教職員が電子メールやSNSを使って児童生徒と私的なやり取りをすることは、県教委の指針で禁じられている。県教委が10月に懲戒処分を公表した教職員8人のうち、4人は教え子らへのわいせつ行為が理由だった。これを受け、県教委は各校に対し、児童生徒のアドレスなどの把握状況を確認するよう求めていた。今回処分された男性教員は学校の調査に対し、「やり取りはしていない」などと書面で虚偽の報告をしていた。
県教委は、これまでの対策の徹底を求める通知を出した。アドレスなどの把握状況については、既に面談で確認した学校を除き、管理職が年内に全職員と面談して再確認するよう要請する。
また、新たな取り組みとして、わいせつ事案で処分を受けた教職員らによる「自分で自分を止められなかった」などの反省の言葉を記録にまとめて、配布する。教職員一人一人に自制を促す狙いだ。
■千葉県教委の不祥事防止策
▽教職員と児童生徒が電子メールやSNSで私的にやり取りすることを禁止▽各学校は教職員に対し、児童生徒のアドレスなどの把握状況を確認する▽精神科医や学識経験者らによる有識者会議での検証▽教職員が私物のスマートフォンなどで児童生徒を撮影することを原則禁止