現政権が発足して以降、しばらくは善良な志を持っているものの、無能な人たちだと思っていた。学生運動家として活動した頃の理想を現実の政治を通じて実現しようとしているため、衝突を招いていると思った。供給を増やせば市場が自然に解決してくれる不動産問題を、税金を引き上げることで安定化させようとするのを見て、実に無能だと思った。ソウルに新築マンションが常に建設されていれば、国民たちは「今を逃せば今後買えなくなる」と言って慌てる必要もなくなるわけだ。自分たちで住宅価格を引き上げておきながら、それに合わせて税金を引き上げる行為を、当時は不動産政策の失敗とばかり考えていた。
■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、日本13位、TOP10は?
無能な上、善良でもないと思うようになったのは、昨年のチョ・グク元法務部(日本の省庁に当たる)長官関連の事件が世間を騒がすようになってからだ。現政権を代表するほど善良に見えたチョ・グク元長官が、数十億ウォン(約数億円)規模の私募ファンドと入試不正に関与し、自分の言った言葉を「完全に覆す」のを目の当たりにしてからだ。大統領府が蔚山市長の選挙工作に介入し、慰安婦被害者のための後援金を自分の口座に入金させた人が国会議員になっていくのを見ながら、こうした思いは確信へと変わっていった。悪辣(あくらつ)で無能な人たちだという思いだ。