[2日 ロイター] – バイデン次期米大統領は、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が2日公表したインタビューで、新政権の外交政策について、トランプ政権が中国と締結した米中通商合意第1弾の破棄に直ちに動くことはなく、中国製品に対する制裁関税を撤廃する措置をすぐに取り下げることも考えていないと述べた。自身にとって最優先事項は、大統領就任前であっても、大規模な景気対策を議会で通過させることだと語った。
今年初めに米中が署名した第1弾の通商合意で、中国は2020年と21年に米国の製品やサービスの購入を少なくとも2000億ドル拡大することで合意。2500億ドル相当の中国製品に対する米国の25%の制裁関税と、中国の1000億ドル相当の米国製品に対する制裁関税は維持された。
バイデン氏は、NYTのコラムニストによるインタビューで、米国には中国との交渉で利用するレバレッジ(影響力)が必要と指摘。
「すぐに動くつもりはない。関税もそうだ。自分の選択肢に先入観をもたないつもりだ」と述べ「私の考えでは、(レバレッジを)まだ持っていない」と付け加えた。
バイデン政権では、知的財産の盗用やダンピング(不当廉売)、企業に対する不正な補助金支給、米企業から中国企業への技術移転の強要など、中国の「不適切な慣行」に対応する政策を進める方針を示した。
同時に国内で超党派でコンセンサスを形成し、政府主導で研究開発やインフラ、教育への投資を増やし、中国とよりうまく競合する必要があると強調。「まず第一に米国に投資し、懸命に戦う」意向を示した。
その上で、最善の対中国戦略は、同盟国と連携することだとの考えを示した。
イランについては、イランが「核合意の厳格な順守」に回帰すれば制裁を解除するとの見解を維持した。
イランのザリフ外相は先月、バイデン政権が制裁を解除すれば、イランは2015年の核合意を完全に履行する方針を表明した。
バイデン氏は「同盟国やパートナーと協議し、イランの核関連活動抑制の強化・長期化、同国のミサイルプラグラムに対応する追加合意や交渉に関与していく」と述べた。
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