トランプ米政権でインド太平洋の安全保障を担当したシュライバー元国防次官補は日本時間3日、オンライン形式のセミナーで講演し、中国の高圧的な海洋進出を念頭にインド太平洋地域の安定を維持する上で「台湾は重要な戦略的地域だ」と述べた。
シュライバー氏は「台湾を失うことになれば、南西諸島などの防衛が非常に難しくなる」と述べ、中国軍が台湾を新たな拠点として東シナ海周辺で軍事力を高めることに強い警戒感を示した。台湾をめぐる情勢が不安定化する可能性も指摘した。
トランプ政権や安倍晋三前政権が進めてきた「自由で開かれたインド太平洋」構想や中国への対応に関しては、米国の同盟国である韓国に加え、ベトナムなど新興国との協力が必要だとの考えも示した。
また、中国を経済のサプライチェーン(供給網)から切り離す「デカップリング」に関しては、「完全なデカップリングは現実的ではない」とし、対象を絞る必要性を指摘した。「共和党、民主党のどの政権も、賢く対象を絞ったデカップリングを続けることを望むだろう」と述べた。(坂本一之)