【ワシントン=蒔田一彦】米上院は11日、2021会計年度(20年10月~21年9月)の国防予算の大枠などを定める「国防権限法案」を賛成多数で可決した。下院も既に可決しており、これで議会を通過した。拒否権行使の構えを見せてきたトランプ大統領の対応が注目される。
法案では、国防予算の総額は前年度から微増の約7405億ドル(約77兆円)とした。インド太平洋地域の抑止力を強化するための基金「太平洋抑止イニシアチブ」を新設し、22億ドル(約2300億円)の予算を配分した。
トランプ氏は、SNS運営会社の投稿内容に関する法的責任を免じる「通信品位法230条」の撤廃を法案に加えることなどを要求していたが、法案には反映されなかった。
上下両院とも共和党議員の多くが法案賛成に回り、トランプ氏との立場の違いを鮮明にした。トランプ氏が拒否権を行使した場合でも、上下両院が3分の2以上の賛成で再可決すれば法律は成立する。