今年からワクチンを普及させれば世界経済も反騰するだろうという期待感が大きい。だが国連傘下金融機関の世界銀行は今年の世界経済成長見通しをこれまでの予測より引き下げた。昨年末から感染が再拡大した新型コロナウイルスがなかなか沈静化しないためだ。
◇新型コロナ感染再拡大で成長見通し引き下げ
世界銀行は6日に発表した「世界経済見通し」で、今年の世界経済成長率を3.8%と予測した。これは昨年6月に発表した予想値の4.2%より0.4ポイント低い。世界銀行は「昨年10-12月期以降新型コロナウイルスの感染再拡大と世界的な国境封鎖の深化で成長見通しを引き下げた」と明らかにした。
地域別では米国が4.0%から2.8%、ユーロ圏が4.5%から3.6%、中国が6.9%から7.9%、日本が2.5%から2.0%などに修正した。今回の発表で韓国の経済成長見通しは含まれなかった。
最近の新型コロナウイルスの感染再拡大の勢いは予想より深刻だ。世界で最初にワクチン接種を始めた英国は最近1日の新規感染者数が6万人に迫り、結局2月中旬まで3度目のロックダウンを延長した。また、米国の新規感染者も最近1日21万人を超えた。
◇ワクチン普及に支障出れば成長率半減
だがこうした予測さえも最悪のシナリオではない。世界銀行は「新型コロナウイルスの新規感染者がいまより増え、ワクチン供給に失敗するならば世界経済の成長率は1.6%まで落ちかねない」と警告した。防疫状況によってはすでに1回下方修正した成長見通しが半分になりかねないということだ。
予想通りにワクチンが普及し経済反騰に成功しても当分は新型コロナウイルスの影響から回復するのは難しいとみた。世界銀行は「パンデミック以前の流れと比較すると、今年の世界総生産(GDP)は5.6%、来年は4.6%低い。新型コロナウイルスで世界経済は永久的な衝撃を受けた」と評価した。
世界経済見通しが否定的に変わり韓国の経済成長見通しも低くなる可能性が大きい。延世(ヨンセ)大学経済学科の成太胤(ソン・テユン)教授は、「これまでの経済成長見通しは新型コロナ第3波を十分に反映していない状態でなされたとみられる。韓国も最近の防疫状況を反映して既存の経済成長見通しを低くするのが合理的だ」と説明した。
ただ世界銀行は昨年の経済成長率は昨年6月の予想値のマイナス5.2%より0.9ポイント上がったマイナス4.3%を記録するとみた。各国政府の積極的な景気浮揚策と昨年下半期から回復し始めた消費のおかげだ。
世界銀行は新型コロナウイルス流行後の長期的成長動力回復が重要だと指摘した。このため規制改善を通じた非効率除去、政府効率性増大、産業多角化、デジタルインフラと気候変動投資などを注文した。