マッキンゼー韓国事務所のアンドレ・アンドニアン代表
世界的コンサルティング会社のマッキンゼーは韓国経済が新型コロナウイルス以前の水準に回復する時期を来年4-6月期と予想した。世界経済が回復すると予想される来年7-9月期より早いが米国経済の正常化時期とみた今年4-6月期よりは1年ほど遅れるという予測だ。
マッキンゼー韓国事務所のアンドレ・アンドニアン代表は1日の記者懇談会で、「ウイルス変異、ワクチン接種遅延などの変数により各国の景気回復時期に1年ほど違いが生じることもある」としてこのように予想した。彼は各国政府の新型コロナウイルス政策対応と保健当局の統制状況に対するマッキンゼーの判断、グローバル企業役員2000人余りを対象にしたアンケート調査結果に基づいて分析したものと説明した。
彼は世界経済が新型コロナウイルス以前の水準に戻っても「U字型」の急激な反騰は難しいと予想した。アンドニアン代表は「世界的に最悪の状況は避けたが急激に景気が回復される様相ではないだろう。グローバル企業役員のうち34%が『低い水準の世界経済回復傾向』を可能性が最も高いシナリオとみている」と説明した。
韓国政府の「公共雇用100万件」創出目標に対しては、「雇用の量より質に神経を使わなければならない」と指摘した。彼は「韓国の過去の新規就業者数を確認すれば100万件の雇用はとても高い目標。これを達成するために政府が民間部門と緊密に協力する必要がある」と強調した。
また「単純に就業者数だけ増やして生産性はそのままなのは望ましくない。デジタル時代を迎えてサイバーセキュリティ、データ分析のような分野の雇用を創出するために教育を強化すべき」と付け加えた。
最近のESG(環境・社会・ガバナンス)経営拡散と関連しては「韓国企業には制約ではなく機会になるだろう」と分析した。続けて「資産運用会社の全投資資産でESG関連資産が占める割合は2012年の21%から2018年には33%に増加した。ESGに対する関心はさらに大きくなるだろう」と予想した。ESG経営に積極的な韓国企業としてはサムスン電子、SKハイニックス、LG化学を挙げ、「より多くのESG経営活動が続かなければならないだろう」と話した。彼は2016年から5年間マッキンゼー日本事務所代表を務め、先月2日に韓国代表として赴任した。