スーパーで食料品を買う女性。
2月の韓国消費者物価が1年ぶりに最も大幅に上がった。作物状況の不振と高病原性鳥インフルエンザ(AI)の拡散で農畜産物の価格が10年ぶりに最大に上昇した影響だ。
4日統計庁が発表した「2月消費者物価動向」によると、先月消費者物価指数は107(2015年=100)で前年同月比1.1%上昇した。昨年2月1.1%上昇した後、ちょうど1年ぶりだ。昨年9月以降消費者物価は0%台を維持して先月1%台にのぼった。
消費者物価をはじめ、生産者・輸出入物価など3大物価指標が最近一度に上がり、一部ではインフレーションへの懸念の声が上がる。しかし「懸念される状況だと考えることは難しい」というのが統計庁の解釈だ。
統計庁のオ・ウンソン経済動向統計審議官は「ゆるやかな物価上昇の水準を越えたと断定することは難しい」と話した。実際、季節的要因や一時的な衝撃に敏感な品目(農産物・石油類)を除いた根源物価は0.8%上がり、むしろ上昇幅が1月(0.9%)より減った。経済協力開発機構(OECD)の比較基準である食料品およびエネルギー除外指数も0.3%上がり、昨年10月(マイナス0.3%)以降最も低い上昇率を見せた。
ただし、消費者が感じる物価状況は違う。まず農畜産物の価格が前年同月比16.2%急騰した。2011年2月(17.1%)以降最も大きな上昇幅だ。昨年秋から続いた高病原性AIと冬季寒波にともなう野菜類作物状況の悪化まで重なり、農畜産物の需給が良くなっていないためだ。
特に、2月には旧正月の需要まで加えて価格上昇をあおった。ネギ(227.5%)、リンゴ(55.2%)、タマゴ(41.7%)などの価格上昇が相対的に大きかった。家賃の上昇も家計負担を増やした。先月伝貰(チョンセ、契約の際に家主に一定金額の保証金を預け、月々の賃貸料は発生しない不動産賃貸方式)と月貰(ウォルセ、月々の家賃)はそれぞれ1.2%、0.5%上がった。伝貰は2018年8月以降2年7カ月ぶりに、月貰は2014年12月以降6年2カ月ぶりに最大上昇だ。
3月以降物価は国際石油価格が変数だ。コロナ禍の影響で急落した国際石油価格が最近原油需要の増加で昨年年初水準を回復し、韓国の石油類価格の上昇に影響を及ぼすだろうという観測が出ている。
オ・ウンソン審議官は「石油類の価格上昇の要因が大きくなっていると同時に、社会的距離の確保などで対面サービスの価格下落の要因も依然として残っている」として「総合的には、物価上昇の要因が明らかで、上昇の流れが続くものとみられる」と話した。