信号機なしの丸い交差点「ラウンドアバウト」、事故リスク半減の仕組みとは? 40都道府県161か所に設置済み


環状交差点の仕組みと設置理由

【画像】信号の無い丸型交差点!? 最近増えつつある「ランドアバウト」の正しい走り方を画像で見る(11枚)

 ヨーロッパ発祥でラウンドアバウトとも呼ばれるこの交差点は、信号機を設置することなく、日本においては円形の道路を時計回りに走行するという仕組みになっています。

 では、なぜこのような仕組みになっているのでしょうか。

 環状交差点が導入される理由には、交通事故の減少が期待できる点があります。

 たとえば通常の十字型交差点では、右折する際に複数の車線と交差する必要があるため、進路が交錯する場所が6か所にも及びます。

 しかしラウンドアバウトで右折する場合、交差する地点は3か所まで抑えられるため、出会い頭の衝突などのリスクを軽減することが可能。

 さらに信号機がないことによる停止時間の短縮や、交通の円滑な流れもメリットのひとつといわれています。

 ただし、こうした利点がありながらも日本ではあまり導入が進んでいない事情もあります。

 また、交通量が極端に多い場合は、信号機のついた交差点にするほうが、交通が円滑になるという傾向を表した統計もでており、国土交通省は1日あたりの通行量が1万台未満の場所が環状交差点に適しているとしています。

 とはいえ、環状交差点の設置数は徐々に増加しており、2025年3月末時点で40都道府県161か所に設置されています。 

 一方で少しずつ増えているとはいえ、全体的な設置数は決して多いわけではありません。

 そのため、こうした設置数の少なさから、いざ遭遇しても通行方法が分からず、戸惑う人も多いようです。

 教習所で一度は習ったはずですが、日常的に利用しないことで記憶が薄れ、うろ覚えのまま通過してしまうケースも見受けられます。

 そんな環状交差点を走行する際にまず押さえておくべきポイントは、すべての車両が時計回りで通行するという点です。

 このルールは道路標識でも明示されており、バイクやクルマは交差点に進入する際、左側に寄って徐行しながら進みます。

 ここで重要なのは優先関係。環状部をすでに走っている車両が優先されるため、進入する際には右側から接近する車両に十分注意を払う必要があります。この点を誤解してしまうと、思わぬ事故につながりかねません。

 また、交差点を出るときの合図も忘れてはなりません。出口のすぐ手前を過ぎたタイミングで左ウインカーを点灯し、そのまま出口を出るまで継続するのがルールです。



Source link